骨粗しょう症とは、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。自覚症状がないため、腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかることも少なくありません。ひどくなると骨折を起こし、寝たきりとなる場合もあります。寝たきりの原因の第1位は脳卒中、第2位は老衰です。そして、第3位が骨粗しょう症による骨折です。
せっかく長生きをしても、寝たきりでは何にもなりません。元気にからだを動かし、いきいきとした生活を送るためには骨粗しょう症による骨折を防ぐことが大切になってきます。
検査について
最新の骨密度測定装置を導入しました。お気軽に受診いただけます
骨粗しょう症は骨の量を測る検査(骨密度測定)と採血を行います。
骨量(骨塩量)、そして骨密度を測定する方法にはX線、CT、超音波などさまざまな方法があります。
当院では、2種類のエネルギーのX線を使い透過率の差を利用して骨密度を測定するDEXA法で検査を行います。
※DEXA法とは、2種類の異なるエネルギーのX線を用いることによって、筋肉や脂肪などに関係なく骨成分だけを測定する方法で、腰椎・股関節を測定することにより、検査精度が高く、日本骨代謝学会で推奨されている検査法です。
このような症状が現れます
骨粗しょう症はサイレント・ディジーズ(静かな病気)といわれるように、深く静かに進行していきます。自覚できるほどの症状が表れるのは更年期を過ぎてからです。
たとえば、「立ち上がるときや重いものを持つとき、背中や腰が痛む」というのは自覚できる症状です。また、お子さんたちから、「おばあちゃん(お母さん)の背中が曲がってきた」「どうも最近背が縮んできたようだ」と言われたら骨粗しょう症の可能性大です。
さらに進むと、背中や腰の激しい痛みで寝込んでしまったり、ちょっと転んだだけで手首や足の付け根を骨折するようになります。 こうなると、背中の曲がり方もひどくなり、身長の縮みも目立つようになります。
骨粗しょう症の原因
骨は固いので、一度つくられると変化しないように見えますが、実際は絶えず活発な新陳代謝をしています。身体の細胞と同じで、丈夫でしなやかな骨を保つためには、古い骨を壊し、たえず新しい骨に作り変える必要があるのです。ところが、骨のもとになるカルシウムの摂取が不足したり、身体が老化して骨をつくるためのホルモンが不足してくると、骨をつくる量よりも骨をこわす量のほうが多くなります。
こうして骨からカルシウムが徐々に減り、骨がスカスカになっていきます。
骨粗しょう症の治療
治療の目的は骨粗しょう症による骨折を予防することです。
治療をきちんと行うことで、骨折を予防できる可能性は高まります。骨折がすでにある方も方ない方も、次の骨折を防ぎ「骨折の連鎖」を食い止めることが大切です。そのためには、日常生活の中で骨量を増やす努力をすることですが、何年もかかって減ってきた骨ですから、いっぺんに増やすことは困難です。文字通りこつこつとした努力の積み重ねとなります。
スカスカになってしまった骨を、若いころのような丈夫でしなやかな骨に戻す薬はありませんが、最近では早期治療により、骨粗しょう症による骨折がかなり防げるようになりました。 どんな薬を選んで、いつから薬物療法を始めるかは、患者さんの年齢や症状の進み具合により医師が判断します。お気軽にご相談ください。